かみくずレポート

越後妻有アートトリエンナーレ 大地の芸術祭2009 その2

6.2日目:雪ノウチ

二日目の朝を迎える。7時、六日町の宿を朝飯も食わずに出発。山を越えて再び十日町へ向かう。昨日の反省から、早朝は屋内の作品を避け、野外作品ばかりを狙うことにする。

途中、ツーリングのオートバイ集団に前を取られる。天気予報ははずれ、雲が多いが晴れ。絶好のドライブ日和である。夏の苗場は天気が本当にころころ変わったけれど、こっちはどうだろうか。

No.47 杉浦久子+杉浦友哉+昭和女子大学杉浦ゼミ 雪ノウチ

市街地の中心部、車では行きにくいところにある。細い道を進むと、右手の路地の奥に小さな空き地。そこに、花のような無数の雪のオブジェが見える。

車を停め、歩いて路地に入る。時間が早く、見学者は一組のカップルと私だけ。管理人の姿もなかったが、空き地の入り口にはすでに冷たい水と、熱中症予防の塩アメが置かれており、ありがたく頂く。近所の誰か、そこにいない誰かの気配がある。

なんでもない空き地に広がる別世界。目の高さのほんの少し上に浮かぶ雪の結晶。それをカメラに収めようと、アベックの女性が一生懸命体をねじっている。そのありようのおかしさも含めて、美しいと感じる。

車に戻りふと前を見ると、近所の軒先にも「雪」が吊るされていた。

No.45 林剛人丸 GO FLIGHT SIRSHIP

十日町駅の屋上にある飛行船。ロータリーに停めて、スタンプを押しに駅舎に向かう。ロータリーは、これから芸術祭を観にいく人たちが、地図を見ながらうろうろしている。みんな楽しそうだ。

飛行船は係留中。昼は飛ばないのか。

No.1 ジョゼ・デ・ギマランイス 妻有広域のサイン

踏み切りを渡って線路の反対側へ。コンビニに寄り、おにぎりを買って食う。本当は地元の店で何か食べればいいのだが、ついつい簡単な方にいってしまう。

ここでNo.1の写真を撮っておく。他のところは峠にあったり広い道の分岐点にあったりして、降りて撮るのを忘れてしまう。

ところで、このスタンプはどこにあるんだろう。

No.49 ジョディ・ピント+モリス/サトウ・スタジオ 光の島

十日町市立情報館。情報館というのは図書館のようである。建物自体が体育館のようなどっしりとしたつくりで面白い。その敷地内にあるというのだが、なかなか見つからず、車でぐるぐる廻ってしまった。結局作品は、建物の裏にあった。

ガイドブックに載っているライトアップされた夜の写真はパステルカラーできれいなのだが、朝見るその姿は寸胴でなんとも無骨というか、ユーモラスである。

No.50 R&Sie建築事務所 アスファルト・スポット

信濃川へ向かう一直線の道路を走る。その途中に現れた、思わず笑ってしまうような駐車場。見学者用の駐車場がすぐ横にあるのに、分からずそのまま作品に入ってしまった。ぎりぎりまでクルマを進める。一応柵はあるのだが、おっかない。

人気なのか、親子連れに若者のグループと、見学者がひっきりなしにやってくる。めくれた一番高いところに立ち、しばらく眺める。訪れた人たちが、記念写真をどこで撮ろうか、いろいろ工夫していて、ひとそれぞれなのが面白い。

車をさらに先へ進める。妻有大橋を渡り、いよいよ川西エリアに入る。いまのところペースは順調だ。この分だと相当廻れるだろう。