かみくず日記

2003年3月30日 おだぶつ村みたび

昼間は会社で仕事して,夜は本駒込へ。

到着すると,片付け作業が始まってました。なんだか,高校時代の文化祭の,日曜日の4時過ぎぐらいの雰囲気。(微妙なたとえですが,解ってもらえるかな) で,テントの中では「あの」三上寛さんが歌ってました。なまみかみかんです。

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ライブは期せずしてフォーク,ラップ,民謡,ロックという組み合わせで,まあこういう場なのでそれぞれメッセージ性が強かったわけですが,ジャンルごとの訴え方の違いが面白かった。私は,メッセージのはっきりした歌はあんまり好きじゃないのですが,今日は素直に楽しめました。で,聴きながら,歌とメッセージの関係についてあれこれ考えていたのですが,その話はまた書きます。

ラップのATOM君は,曲がなかなか出なくて立ち往生してしまい,ちょっとかわいそうでしたね。で,「音楽なきゃできんのかー!」とむちゃくちゃ怖いツッコミをいれてたおっちゃんがいて,誰かと思ったら,絶叫歌人の福島泰樹氏でした。ATOM君もアカペラのラップで一矢報いてましたけど。

最後,かなりノッてきたところで,近所から電話で苦情が入ったそうで,あえなくお開き。普段なら煽り役の平野さんが哀願してストップかけたぐらいだから,よっぽどだったのでしょう。

今回,仕事の山と重なって,4日間あったのにツボ外しまくりで,全体の感想なんて言えないのですが,一つ言えるのは,定点に集まるっていうイベントのかたちがすごく良かったということです。最近デモへ行くようになって,いろんな人の接点ができて,それはそれで良いのですが,デモだと歩ききってしまえばそこで解散。けどこうしてお寺に集まって,ぐだぐだ話したり音楽聴いたり,そうすると,デモで歩いているのとは違った,いろんな思いつきや感情が沸いてきます。で,本当は,昔々の村社会では,お祭りやお寺や神社が,そういう働きをしてたのではないか。で,そういう失われた場所が,現代のこういう時期に,こうして出現したのは,廻りまわっての歴史の必然なのかな,とか。ちょっと妄想っぽいですね。でも今,意見の交換ならネットで十分できるのに,それでもアメリカ大使館前とか,国会裏とか,大阪のアメリカ総領事前とか,いろんなところに人が集まろうとしているのも,何か共通点があるような気がします。

2003年3月29日 ダウン

今日は会社に出て仕事片づけようと思っていたのに,ダウンして結局行けず。家で部屋の片づけ,ここの書き足しなど。

昨日のイベントの金子さん,アエラの「現代の肖像」に出てましたね。最近テレビに出ずっぱりだそうで。深夜番組以外は見ない(見られない?)ので,全然知りませんでした。

で,テレビと言えば,金曜日の深夜に永六輔さんがやっているNHK人間講座「人はなぜ歌うか」がものすごく面白い。面白いし,ちょっと泣けます。この枠,堅い内容ばかりなのに,たまに「歌う生物学者」とか,とんでもない講師が出ることがあって,油断できません。

2003年3月28日 おだぶつ村ふたたび

今日は朝から品川の顧客先でプログラムのテスト。昼過ぎぐらいまでに終わらせて,あとは会社に帰って昨日の続きをやろうと思ってたのに,案の定時間がかかり,顧客先を出たのは夜8時近く。ということで,会社に戻るのはやめて,本駒込のイベントをちょっとだけ覗きに。

最初,勘違いしてJR駒込駅で降りたら,全然場所がわからず,かなり焦りました。ナイフさんに電話して確認したら,南北線の本駒込駅とのこと。南北線って,最近できたんですよね。私の頭の中にある地図には,そんなの全然なかったのですよ。こんなことなら,東京廻りで行けばよかった。結局,着いたときには夜9時をまわっていました。

あのあたりは,大学生の頃,三百人劇場に映画を見に行ったぐらいで,あんまり馴染みがなかったのですが,お寺が多くて驚きました。東京にも,こんなところがあるんですね。その一つ,今回の会場となった光源寺は,思っていたよりは小さなお寺でした。で,その境内に,劇場型のテントが一つ,出店用テント(運動会でよくみるやつ)が2つぐらい。あと,見せ物小屋風の大きな看板。

出店の前で立ち話してたら,ハンスト中の平野さんに呼ばれて,すこし話をしました。ハンストといっても,悲壮な感じは全然なくて,平野さん曰く,要は話題づくりだと。でも,そういう「遊び」を心底徹底的にやってしまうところが,すごくいいなあ,と思いました。あと平野さん,ここを何度か読んでくれてたみたいで,「お前とこ,お前の気持ちが出てて,すごく良いよ」てなことも言われました。まあ,おだてもあるだろうし,自分でもそんな大層なものだとは思っていないけれど,言われるとやっぱり嬉しいものです。

イベントの方は,パネラーが,経済学者の金子勝さん,管理職ユニオンの設楽清嗣さん,立教大のアンドリュー・デウィットさん,あと司会は吉岡忍さん。外から見ると小さく感じたテントですが,中に入ると,天井がとても高くて,結構広い。その中で,靴を脱いで,あぐらをかいて聴きます。ロフトのイベントと比べて,観客の年齢層はちょっと高め。お坊さんも二人いました。

d20030328-01内容は,エキサイトした昨日のイベントに比べれば,地味でだれ気味だったそうですが,私には結構面白かった(1時間しか聴かなかったせいもあるけど)。金子勝さんは,たまにテレビで見かけるだけで,今まであまり関心がなかったのですが,話もうまいくて,なかなか良い人でした。金子さんの話でとても興味深かったのは「石油のための戦争だ,という言い方は止めた方が良い」というもの。曰く,確かにそれも一つの要因だが,問題はそれだけではない。どこかで誰かが得をしているというのはすごく分かりやすいが,そういう分かりやすさにとらわれて,複雑な要因について考えずにいると,たとえばアメリカが大量破壊兵器のささいな証拠を針小棒大に喧伝するなど,情報操作がなされたとき,それを正しく見破れなくなるのではないか。だから,石油のための戦争だというのは,言ってもいいけれど,そこで止めてはいけない。現代は,戦争が起これば株価が下がる時代。経済の中枢で利益を得ている人でさえ,戦争で経済が不安定になることを恐れている。言うならむしろ,戦争がどれだけ不経済なものかを訴えていったほうがよい,と。言われてみれば確かにその通り。経済が戦争を起こすという現実を逆手にとる考え方は,私にとっては新鮮でした。金子さん,その晩は朝ナマに出演するため,途中で退席するはずだったに,結局最後の質問まできっちり応えていました。

それから,誰の発言だったか忘れたけど,曰く,アメリカでは,反仏でフランスワインをボイコットするなんて話がでるなど,(内容の是非はともかく)意見を行動で表明する人が多い。日本では,投票以外の方法で意思表示をする人が少ないのではないか。しかもその選挙でさえ半分ぐらいしか行かない。財布を使った投票も必要ではないか,と。確かに,私自身は「政治的意思表示=投票」と思い込んでいたところがありましたね。

あと,これはあまり内容には関係がありませんが,パネラーも観客も,みんなマイクを使っていたのに,質問に立ったお坊さんが,マイクなしでしっかり話していたのは,さすがだ思いました。

d20030328-02イベント終了後,外に出て,久田恵さんが店番をする出店で焼き鳥を買いました。あとハンストコーナーでは,平野さんのとなりに漫画家の石坂啓さんが。平野さんに写真を頼まれたので,ついでに自分でも一枚。私は本,特にノンフィクション系が好きなので,共同アピールの会がらみのイベントに行くと,いろんなライターの人がナマで見られて,すごく嬉しくなります。

10時過ぎて,テントでは映画の上映があったのですが,終電が危なそうだったので帰ることに。帰りはムキンポさんと一緒になり,昨日のイベント,テントが使えず外でやった理由を聞いて,唸ってしまいました。思想や信念に関する話で,私にはそれを正確に伝える自信がありません。なのでここには書きません。ただ,他人の思想を,それが自分に思想に反するものであっても大切する,そういう人はすごくカッコイイ,そんなことを思いました

2003年3月27日 おだぶつ村

昼間のうちにやっつける予定だった仕事が,何故か全然終わらず。最近,仕事のペースが落ちている。どうにかしないと。

本当は定時に退社して共同アピールの会のおだぶつ村を覗きに行きたかったんだけど,やむなく残業。今晩のイベント,パネラーは今月4日のロフトと同じだし,パスでもいいか,と思ってたのに,どうも結構盛り上がったらしく,終わってからみんなで飲みにいったらしい。ちょっと悔しい。まあ,駒込で夜十時から飲み会なんて,横浜市民にはどっちにしろ無理なんだけど。あと,増田さんの映画もこの前観たのから編集が入ったみたいで,それ見逃したのも残念。

2003年3月26日 ニュースステーション

椎名林檎がニュースステーションに出演。残業で間に合わなかったので,横浜のネットカフェで観る。最近ビシッと作り込んだ映像ばかり見ていたので,自然な感じがすごく新鮮。

2003年3月25日 キレイな戦争

一日中,猛烈に眠くて困った。

戦争の方は,当初あっさり終わると見られていたのが,ここへきて雲行きが怪しくなってきましたね。どうなるのでしょう。chanceのメーリングリストに,現地の負傷者の画像を載せたアルジャジーラのサイトが紹介されていました。で,見たのですが,もう絶句です。何も言えません(刺激の強い画像なので,URLは載せません)。もちろんプロパガンダの意味もあるのでしょうが,それを差し引いても余りありすぎ。本当に「キレイな戦争」なんてあり得ない。

2003年3月24日 歯が痛い

夕方,急に奥歯が痛くなった。で,喉のリンパ腺も腫れていたので,ぐりぐりほぐしてたら,歯の痛みも退いた。何だろう?

2003年3月23日 大阪

「大阪では,『トリビアの泉』を,日曜の朝9時からやっている」

思わずへーへーボタンを連打したくなりました。でも,そう思うのは東京中心主義というもので。関西の人,というか東京以外の人にとっては,深夜に『探偵!ナイトスクープ』や『さんまのまんま』をやってるのが,信じられないのだそうです。

というわけで,大阪で一日のんびり過ごしました。

で,帰る前,せっかくということで,梅田のアメリカ総領事館に寄ってみました。梅田の南,中之島のちょっと手前にあるアメリカ総領事館は,大通りに面して他の建物と並んで立つ,ごく普通のビルでした。時間は夜7時を過ぎていましたが,ビルの前にはたくさんの警官が立ち,それと向かい合うように,20人ほどが居座っていました。座っている青年に話を聞いたところ,昼間にはデモもあったそうです。警官が目と鼻の先に立っているので,カメラ構えるのも気が引けて,写真は撮れませんでした。

で,家に帰って,大阪の運動の情報を調べてたら,こんなサイトを見つけました。ここ,写真がすごく良いです。私もこんな写真が撮りたい。

2003年3月21日 World Peace Now 3.21

World Peace Now 3.21。

d20030321-01私が入れてもらったのは,ロフト+共同アピールの会+雨宮処凛グループの連合軍です。出発地点は東京タワー脇の芝公園。コースは,銀座コースと,桜田通りを通って日比谷公園までの大使館コースの2系統。私たちは大使館コースでした。ただ,大使館コースとは名ばかりで,実際には「遠くに大使館が見えるコース」。しかも気づかないうちに通り過ぎてしまいました。まあ,今の状況を考えると,大使館のすぐ脇を通るなんて無謀なので,無理は言えませんが。桜田通りは銀座に比べるとギャラリーは少な目でしたが,広くて歩きやすかったです。あと,雨宮グループの「音頭取り」の方が絶妙で,ハンドマイクで音頭をとって,全然関係ない後ろのグループまで巻き込んでいました。彼はいったい何者なんだろう?あと,教会の前を通ったとき,牧師さん建物の入り口に立って見送ってくれたのがすごく印象的でした。

デモ終了後は有志でアメリカ大使館に行くことに。考えることは他のグループも同じで,みんなぞろぞろと霞ヶ関方面の出口に向かいます。しかし警察もまた考えることは同じで,出口には警官がずらっと並び,止めはしないものの,プラカードを掲げて歩かないよう注意していました。大使館への流れがデモ化するのを阻止したいようです。こちらも,何となくばらけながら移動します。虎ノ門まで来たところで,現地から,大使館のかなり手前で阻止されていると連絡が入り。万が一のことがあるとマズイので,そこからは完全な個人行動ということになりました。

d20030321-03特許庁前につくと,外堀通りの入り口,JTビルのところで,警察隊と群衆が対峙していました。しばらくにらみ合いが続いていたのですが,交渉があったのか,警官の隊列の一部が空けられ,実行委員?の「非暴力でお願いしまーす」の呼びかけのもと,群衆は空けられたところを通って,歩道をゆっくりと前進。しかし,既に前にかなりの人がつまっており,しかも周りは警官隊が歩道をびっしりとガードしているので,袋小路状態。と,反対側の歩道も行けますと知らせてくれた方があり,一旦引き返し,道路の反対側に渡って前進。こちらは比較的空いており,大使館の正面まで出ることができました。

後からニュースで知ったのですが,このとき大使館前には1200人が集まっていたのだそうです。数々の旗やのぼりが振られ,楽器が鳴らされ,騒然とした状態でした。ただ,これは作戦なのでしょうか,正面の道路をはさんで左右の歩道に分散されてしまったため,人数の割りには勢力が削がれた感じになっていました。(外堀通りから左側の歩道を上っていくと,大使館の前で袋小路になってしまい,しかも場所も狭い。それよりは,右側を上っていくか,あるいは六本木通り方面から進入するかして,自転車会館の前に集結するのが良かったと思います)

しばらく居てから,腹が減ったので近くにあるコンビニへ。しかしおにぎりも弁当もすべて品切れ。唯一残っていたが「アメリカン」ドッグだったのは笑いました。仕方ないので,一旦六本木通りに出て,ラーメン食ってきました。

d20030319-01で,大使館前の戻ってきたところで,活動家風の男性二人がビラまきをしようとして警官と衝突,一気に拘束されていく場面に遭遇。大使館前にいた男性二人が警官と小競り合いしていたところまでは良くある風景でしたが,警察のマイクによる号令で事態は急変。一気に警官が集まり,その外側には私服の刑事が。メガホンの「追尾せよ」の号令の元,移動する男二人を追って警官,私服も大移動。ラグビーのスクラムがボールを追ってずるずると移動していくように,集団は大使館前の坂をずんずん下りていきます。で,溜池通りに達したところで,警官が二人を完全に取り囲みます。この日は報道機関も多数来ていて,テレビカメラがあったせいか,取り囲んだ後は膠着状態に。結局最後までは見届けませんでしたが,警察に拘束されるという事態がいかにシビアかということを実感しました。

大使館前の抗議行動は陽が落ちてからも続き,途中,サックス奏者が加わってからは,コールの合間にアドリブが入り,またそれに呼応してコーラス風の声が入るなど,セッションのようなっていき,それはいつまでも続いていました。