本当は行くつもりがなかったのですが,いろいろあって結局またデモへ。
今回のコースは,夜6時半に千駄ヶ谷を出発し,原宿を抜けて渋谷駅前を通り,宮下公園がゴール。千駄ヶ谷では昼間に真面目な集会がありましたが,そちらは観ず(というかその時間は寝てた),原宿駅の先(北側をずっと行った原宿外苑中学あたり)でデモ隊を待って合流しました。デモで原宿を通ったことは何回かありますが,いつもは表参道ばかりで,竹下通りの前を通るのは今回が初めて。信号待ちの人でごった返す原宿駅・竹下口では,通行人とデモ参加者がごっちゃになっていました。
韓国の民族音楽のグループ(あれは何と呼ぶのでしょう?)があり,お坊さん達の太鼓があり,またその他いろんな音楽があって,いつものように賑やかなデモでした。しかし,参加人数が多かったことにより,緊迫した場面もありました。
顔見知りが居ないかと列の中を泳いでいたのですが,原宿駅を過ぎたあたりで,車線をはみ出した一部参加者と,それを押し戻そうとする警察との小競り合いに遭遇。スタッフがその都度うまい具合に間に入り,大事には至らなかったものの,ピリピリした空気が。穏健な参加者が多いデモの中で,そこだけ突出していて,代々木競技場前の坂道では,一時10人以上の公安がそのグループの横に集結して歩道を併走。いつもは人混みに紛れているおっさん達が,集団でぞろぞろ歩いているのは,変な光景でした。それじゃ目立ち過ぎるって。
と書くと笑い話のようですが,小競り合いが起きたとたん,そのうちの1人がダーっと道路の反対側に渡り,現場にカメラを向ける,逮捕を想定したような場面もあり,実際はかなり心配な状況でした。その後,電力館前の信号では,そのグループのところでデモ隊を分断して,また小競り合いが発生。前の隊列は知らずにどんどん離れていき,間にいた参加者たちが前の隊列のところに走っていって大声でストップかける,という事態も。また,渋谷デモの要所(と私が勝手に思っている)丸井前でも,交差点のど真ん中でまた小競り合いが。
そうこうしながらも,双方の当事者を含むすべての人々の忍耐と努力で(笑)無事ゴール。部分的には緊迫したものの,全体的には明るいデモでした(だから,これ読んだ人も敬遠しないでね)。今回の参加者は主催者発表で2000人だそうです。
まあ,デモにああいう小競り合いは付きものだから別にいいのですよ。アピールする側も,経験や法的な知識があるから,どこまでがOKでどこからがマズか知って動いているし,逮捕されるということがどんなことかよく分かっている。末端の警官も,高圧的なコトを言ったって,やっぱり最終的には面倒なことは避けたいと思ってるだろうし。要するに両者ともバカではないということで。けれど,これから,そういう知識のない人々が大量に入ってきたときどうなるか。今まで「お巡りさんは私を守ってくれる人」という枠組みの中だけで生きてきたひとが,そうではない枠組みの中で,果たして正しく行動できるかどうか。
知識のない若い人が無計画に暴れて痛い目に遭う,という心配が一つあるわけですが,それより,今まで警察を無邪気に信頼していた穏健な人々が,そうではない枠組みを知ったとき,その反動でどう変化していくのか,それがすごく気になります。純粋な人ほど極端に走る傾向があるし,「自分たちの運動は昔の運動とは違う」と思っている若い人たちは,昔の苦い教訓に耳を傾けてくれるかどうか。