江東区清澄白河の赤々舎という出版社のギャラリーで浅田政志の写真展をみる。最近テレビでも紹介されていて、大きな賞を取ったから、知っている方も多いのではないでしょうか。私が「浅田家」を知ったのは、かなり前の週刊誌のグラビアでした。それ以来、頭の片隅に残っていたところ、先日渋谷に出かけた折、パルコで偶然写真展に出くわして、あり、そっちを見てきました。で、その後ウェブでいろいろ調べていくうち、彼の写真集を出版した「赤々舎」という出版社がなんかとてもおもしろそうで、ちょうど、事務所の1階のギャラリーで個展があるというので、行ってみることにしました。
清澄白河は、いぜん東京都現代美術館に行ったことがあるぐらいで、あんまり土地勘がない。ウェブから書き写した地図を頼りに路地を幾つも曲がって、たどり着いたのは、白壁の、間口の広い、納屋のような建物でした。
個展は、パルコよりも家族が一人増えたのと、浅田家以外の家族の写真が中心でした。明らかに「作られた」場面なのに、そこに素の家族が見えてくる。兄夫婦の結婚式の写真の前で「これは本当の結婚式か?」と思い、その直後「本当って何だ?」自問してしまった。私たちが写真を見るときに常に直面する、虚と実の問題を、軽く乗り越えてしまっている。