今週は平日に休みを取り、お台場でダイアログ・イン・ザ・ダークというワークショップに参加してきました。
テレビやラジオで紹介されたこともあるそうなのですが、私がこのイベントを知ったのは、まったくの偶然からでした。それは去年の冬のある夜のこと。都内を嫁さんとクルマでドライブしていた私は、赤坂付近で道に迷ってしまいました。地図を見ようと車を止めたところ、そこは廃校になった小学校の前。ふと見ると、フェンスに質素なイルミネーションが灯り、何かイベントの気配が。不思議に重い、クルマを降りて中に入ると、校舎の入り口に受付があったので尋ねてみました。受付の男性が親切に教えてくれたのは、目の見えない人と暗闇のなかを歩くイベントで、残念ながら今回は予約で満杯、でもたぶんまた来年ありますとのこと。そのときは良くわからないまま、パンフレットだけ貰って帰ってきたのでした。
予習期間が長かったので事前に十分判っていたにもかかわらず、実際に体験してみると驚きの連続でした。これから体験する人のために詳細は書きませんが、目の見えないことの不自由さを体験する、といった「福祉教育」的な面だけでこの体験を説明することはできません。自分の性格や他人との距離のとり方、仲間との連帯感など、何層もの問題を暗闇の中で自問しました。また、暗闇を出るときには暖かい充実感があり、終わったあともいろんなことを考えさせられます。
今になってとても驚いていることがあります。それは、この日記を書くにあたって、頭のなかでは体験を映像として思い出しているということ。体験中、何ひとつ見えていなかったのに。これはいったいどういうことなんだろう。