2004年5月28日 「こんな夜更けにバナナかよ」

仕事が先週からトラブル続きで、2週間で徹夜3回、その他の日もほとんど終電。まいったね。

明日は妹の結婚式。で、そのお祝いを以前実家に渡しにいった帰りに妹が貸してくれた、渡辺一史「こんな夜更けにバナナかよ」を夜明けまで読む。札幌在住の筋ジス患者・鹿野靖明と、彼の在宅生活を支えるボランティアたちの群像劇。出てくるボランティアの一人が、妹が最近まで勤めていた知的障害者施設の同僚だとのこと。私のノンフィクション好きを知って薦めてくれたんだけど、これが出色の出来。いわゆる「障害者もの」「ボランティアもの」はたくさんあるし、最近はその「きれいごとでない部分」に光を当てた作品も多くなっているけれど、この本はその更に下、人間の心の奥に潜んでいる、生きること、他者を求めることへの、どうしようもなく混沌とした欲望を描いている。