2003年10月29日 横浜のメリーさん

「横浜のメリーさん」って知ってますか?90年代半ばぐらいまで横浜は関内近辺に出没していた、真っ白い顔のおばあさん。かつて横浜市民の間では結構知られた存在でした。いろんなひとが文章に書いているので、横浜以外でも、知っているひとは多いことでしょう。

私が初めて見かけたのは、おそらく学生の頃。どんなシチュエーションだったか全然覚えていないのですが、その独特の化粧と服装に、猛烈にギョッとしたことだけはよく覚えています。その後90年に就職し、最初の職場が関内にあったため、その頃は何度も遭遇しました。場所は主に伊勢崎モール。入り口近くのハンバーガーショップ(当時は森永ラブ)が行きつけだったようで、片隅で水を飲んでる姿を目撃したこともあります。しかしその後、異動で関内を離れてからは、見かけることもなくなりました。

メリーさんはその後、故郷に帰り、老人ホームに入ったのだそうです。2年ほど前、たまたま立ち読みしたミニコミ誌のエッセーには、そう書いてありました。メリーさんの「その後」を綴ったそのエッセーは、短いけれどとても感動的で、ちょうどその頃しごとに行き詰まっていたこともあって、本屋の店先だというのに、思わず涙が出そうになりました。

なんでこんなことを書いているかというと、つい最近、ネットで調べごとをしていて、偶然、このエッセーを見つけたのです。山崎洋子「天井桟敷の横浜-メリーさんの手紙-」。暇だったら読んでみてください。(※リンク切れ 2016-09-11) で、そこからリンクをたどったら、メリーさんの生い立ちについてさらに詳しく調べた方もいました。「都市伝説・メリーさんの真実」。トップの写真だけみるとキワものサイトと勘違いしそうですが、こちらもテキストがすごく良いです。人生とか孤独とかいうものの奥の深さを感じます。