2003年6月15日 とても私的な出来事

挙式当日です。同じホテルに泊まっているので余裕です。が、時間どおりに受付にいったら、みんなやたらばたばたしています。「結婚式って、慌しいもんなんだな。。。」そう思いながら控え室で服を着替えていると、衣装係の人が「今日は自動車だったんですか?」「???」。そこで気付いたのです、受付時間を30分間違えていたことに。

いやー動転しました。挙式にはなんとか間に合ったのですが、本当だと、花嫁さんとご対面してまったりするところが、会うなりすぐに写真撮影。カメラマンの言う通りにあっちいったりこっちいったり。係りの人は「そんな気にしないで式のことだけ考えてくださいよー」と笑ってましたが、そうはいかんでしょう。悪いことに、金曜日の職場でのことも心の中にもやもやと残っており、ダブルの効果で意気消沈。リハーサルでは、カメラマンにも教会の牧師さんにも「表情硬いですねぇ」と言われまくってました。

救われたのは、相方がすごく冷静だったこと。リハーサルの時にぶれていた心の重心も、彼女のおかげで、本番が始まるころにはだいぶ落ち着いてきました(でも後から聞いたら、そのときはもう緊張の絶頂で余裕なんて全然なかったのだそうな。どうも彼女は緊張が顔に出ないタイプらしい)。

落ち着いたとはいっても、やっぱり挙式では緊張しました。楽しむ余裕も周りを見る余裕もなく、あっという間に終了。でも大きなミスがなくてほっとしました。挙式は、式場めぐりをしているときにいろいろ見たとき、外国人の若い牧師さんが英語訛りの日本語でカッコよく聖書を読んだり、賛美歌の演奏に余計な楽器が入ったり、そういう感動的な演出を「ちょっと違うんじゃないかな」と思っていたので、とにかく質素になるよう、牧師さんは日本人のなるべく年配の方をお願いし、賛美歌も楽器のオプション(料金内)をあえて入れないで合唱+オルガンのシンプルなものにしました。たとえ一時的な「ファッション」であっても、宗教の形式を借りるからには、その瞬間はその宗教をきちんと信じて、「素の」かたちでやるべきだと思ったのですよ。で、その結果、すごく厳粛で落ち着いた式になりました。

挙式の後は、集合写真の撮影があって、そのあと披露宴。披露宴は、招待客も40名弱とホテル挙式にしては少人数で、媒酌人もなし、主賓(上司の招待)もなし、挨拶も4名だけという「密度の低い」内容だったので、以前から、間が持たなかったらどうしよう、白けたら困るなぁ、及第点が取れればそれで十分、などと思っていたのですが、蓋を開けてみたら、これがびっくりするほど上手くいきました。人数の少なさと挨拶の少なさが幸いしたのですよ。お客さんが気兼ねなく歩き回れる、ちょうどよい会場の広さと人数だったので、知らない者同士でもみんな結構話してくれて、最後のほうには、両家の親戚だけでなく、友達関係も入り乱れての、すごく和気あいあいとした雰囲気になりました。今はやりのアットホームな挙式を目指したわけではないのに、というかそんなの自分たちには無理だと思っていたのに、結果的には自然にそうなりました。

ただ、ちょっと残念だったのは、ビデオを頼まなかったことです。音楽にはちょっとこだわって、一部差し替えをして、それが本当にバチッと決まっていたのですが、後で相方に聴いたら、緊張でぜんぜん聞こえてなかったとのこと。そこではたと気付いたのですが、写真では音楽は残らないんですよね。でもまあ、そうして「記憶にしか残らないこと」というのも、それはそれで味があるとも思います。

今こうして書いていて、結婚の実感まだ沸いてません。本当はここで、結婚の決意とか、相方へのメッセージなんか書きたいんだけど。。。それは、これからの生活のなかで、だんだんと固まってくることなのかな。今日はただ、「一生に一度のこと」の余韻を感じつつ、寝たいと思います。(というか、明日も忙しいだよなー)。