今日は朝から品川の顧客先でプログラムのテスト。昼過ぎぐらいまでに終わらせて,あとは会社に帰って昨日の続きをやろうと思ってたのに,案の定時間がかかり,顧客先を出たのは夜8時近く。ということで,会社に戻るのはやめて,本駒込のイベントをちょっとだけ覗きに。
最初,勘違いしてJR駒込駅で降りたら,全然場所がわからず,かなり焦りました。ナイフさんに電話して確認したら,南北線の本駒込駅とのこと。南北線って,最近できたんですよね。私の頭の中にある地図には,そんなの全然なかったのですよ。こんなことなら,東京廻りで行けばよかった。結局,着いたときには夜9時をまわっていました。
あのあたりは,大学生の頃,三百人劇場に映画を見に行ったぐらいで,あんまり馴染みがなかったのですが,お寺が多くて驚きました。東京にも,こんなところがあるんですね。その一つ,今回の会場となった光源寺は,思っていたよりは小さなお寺でした。で,その境内に,劇場型のテントが一つ,出店用テント(運動会でよくみるやつ)が2つぐらい。あと,見せ物小屋風の大きな看板。
出店の前で立ち話してたら,ハンスト中の平野さんに呼ばれて,すこし話をしました。ハンストといっても,悲壮な感じは全然なくて,平野さん曰く,要は話題づくりだと。でも,そういう「遊び」を心底徹底的にやってしまうところが,すごくいいなあ,と思いました。あと平野さん,ここを何度か読んでくれてたみたいで,「お前とこ,お前の気持ちが出てて,すごく良いよ」てなことも言われました。まあ,おだてもあるだろうし,自分でもそんな大層なものだとは思っていないけれど,言われるとやっぱり嬉しいものです。
イベントの方は,パネラーが,経済学者の金子勝さん,管理職ユニオンの設楽清嗣さん,立教大のアンドリュー・デウィットさん,あと司会は吉岡忍さん。外から見ると小さく感じたテントですが,中に入ると,天井がとても高くて,結構広い。その中で,靴を脱いで,あぐらをかいて聴きます。ロフトのイベントと比べて,観客の年齢層はちょっと高め。お坊さんも二人いました。
内容は,エキサイトした昨日のイベントに比べれば,地味でだれ気味だったそうですが,私には結構面白かった(1時間しか聴かなかったせいもあるけど)。金子勝さんは,たまにテレビで見かけるだけで,今まであまり関心がなかったのですが,話もうまいくて,なかなか良い人でした。金子さんの話でとても興味深かったのは「石油のための戦争だ,という言い方は止めた方が良い」というもの。曰く,確かにそれも一つの要因だが,問題はそれだけではない。どこかで誰かが得をしているというのはすごく分かりやすいが,そういう分かりやすさにとらわれて,複雑な要因について考えずにいると,たとえばアメリカが大量破壊兵器のささいな証拠を針小棒大に喧伝するなど,情報操作がなされたとき,それを正しく見破れなくなるのではないか。だから,石油のための戦争だというのは,言ってもいいけれど,そこで止めてはいけない。現代は,戦争が起これば株価が下がる時代。経済の中枢で利益を得ている人でさえ,戦争で経済が不安定になることを恐れている。言うならむしろ,戦争がどれだけ不経済なものかを訴えていったほうがよい,と。言われてみれば確かにその通り。経済が戦争を起こすという現実を逆手にとる考え方は,私にとっては新鮮でした。金子さん,その晩は朝ナマに出演するため,途中で退席するはずだったに,結局最後の質問まできっちり応えていました。
それから,誰の発言だったか忘れたけど,曰く,アメリカでは,反仏でフランスワインをボイコットするなんて話がでるなど,(内容の是非はともかく)意見を行動で表明する人が多い。日本では,投票以外の方法で意思表示をする人が少ないのではないか。しかもその選挙でさえ半分ぐらいしか行かない。財布を使った投票も必要ではないか,と。確かに,私自身は「政治的意思表示=投票」と思い込んでいたところがありましたね。
あと,これはあまり内容には関係がありませんが,パネラーも観客も,みんなマイクを使っていたのに,質問に立ったお坊さんが,マイクなしでしっかり話していたのは,さすがだ思いました。
イベント終了後,外に出て,久田恵さんが店番をする出店で焼き鳥を買いました。あとハンストコーナーでは,平野さんのとなりに漫画家の石坂啓さんが。平野さんに写真を頼まれたので,ついでに自分でも一枚。私は本,特にノンフィクション系が好きなので,共同アピールの会がらみのイベントに行くと,いろんなライターの人がナマで見られて,すごく嬉しくなります。
10時過ぎて,テントでは映画の上映があったのですが,終電が危なそうだったので帰ることに。帰りはムキンポさんと一緒になり,昨日のイベント,テントが使えず外でやった理由を聞いて,唸ってしまいました。思想や信念に関する話で,私にはそれを正確に伝える自信がありません。なのでここには書きません。ただ,他人の思想を,それが自分に思想に反するものであっても大切する,そういう人はすごくカッコイイ,そんなことを思いました